「デーデルライン桿菌(かんきん)」という言葉を聞いたことはありますか。あまり知られていませんが、実はこの菌こそ、**膣内フローラの主役であり、デリケートゾーンの健やかさを支える”縁の下の力持ち”**です。
においやかゆみ、おりものの変化に悩んでいるなら、その背景にはこのデーデルライン桿菌の減少が関わっているかもしれません。この記事では、デーデルライン桿菌とは何か、どんな働きをして、なぜ減るのか、そしてどうすれば増やし・守れるのかを、専門家監修のもとでわかりやすく解説します。
※膣内フローラ全体について知りたい方は、[膣内フローラとは?乱れる原因と整え方]もあわせてお読みください。
デーデルライン桿菌とは?
デーデルライン桿菌とは、膣内にすむ善玉菌(乳酸菌)の総称です。特定の一種ではなく、主にラクトバチルス属からなる菌の集団で、膣を守る中心的な存在です。
デーデルライン桿菌とは、健康な女性の膣内に生息する善玉菌のことです。重要なのは、**特定の一つの菌種を指す名前ではなく、主にラクトバチルス属(乳酸桿菌)から構成される、さまざまな乳酸菌の集団(総称)**だという点です。
この名前は、1892年にこの菌を発見したドイツの産婦人科医アルベルト・デーデルラインにちなんで付けられました。膣内にはさまざまな細菌が共存して「膣内フローラ(細菌叢)」を作っていますが、その中で健康な状態ではデーデルライン桿菌が優位を占め、膣を守っています。

デーデルライン桿菌の働き|膣の自浄作用を支える
膣の細胞にたまるグリコーゲンを分解して乳酸をつくり、膣内を弱酸性(pH3.8〜4.5)に保ちます。これにより雑菌の繁殖を防ぐ「自浄作用」を担っています。
デーデルライン桿菌の働きは、いくつかのステップで説明できます。
思春期以降の女性の膣の細胞(上皮)には、女性ホルモンの働きで**グリコーゲン(糖の一種)**が蓄積します。デーデルライン桿菌は、剥がれ落ちた細胞のこのグリコーゲンを栄養源にして、乳酸を産生します。
この乳酸によって、膣内は弱酸性(pH3.8〜4.5程度)に保たれます。多くの病原菌は酸性環境では increase しにくいため、結果として雑菌の侵入・繁殖を防ぐことができます。この一連の仕組みが、膣が自分自身を清潔に保つ力=**自浄作用(生体バリア)**です。
つまりデーデルライン桿菌は、膣の「天然の防御システム」を動かしているエンジンのような存在なのです。
デーデルライン桿菌が減るとどうなる?
善玉菌が減ると膣内のpHが上がり(酸性が弱まり)、雑菌が増えやすくなります。その結果、におい・おりものの変化・かゆみ・感染症のリスクが高まるとされています。
デーデルライン桿菌が減少すると、膣を守る自浄作用が弱まります。乳酸が減って膣内のpHが上がる(酸性が弱まる)と、これまで抑えられていた雑菌が増えやすくなり、次のようなサインが現れることがあるとされています。
- においの変化:雑菌の増加で、においが気になりやすくなる
- おりものの変化:量・色・においが普段と変わる
- かゆみ・不快感:粘膜のバリアが弱まり、刺激に敏感になる
- 感染症を繰り返しやすい:カンジダや細菌性腟症などのリスクが高まるとされる
これらは、デーデルライン桿菌という防御システムが弱まったサインと考えることができます。

なぜデーデルライン桿菌は減ってしまうの?
加齢による女性ホルモンの減少が大きな要因です。加えて、洗いすぎ・抗生物質の使用・睡眠不足やストレスなどの生活要因でも減少しやすいとされています。
最大の要因は、女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。前述のとおり、膣の細胞にグリコーゲンが蓄積するのはエストロゲンの働きによるもの。エストロゲンが減るとグリコーゲンも減り、それを栄養源とするデーデルライン桿菌も減りやすくなります。エストロゲンは40歳前後から大きく減少するため、年齢とともにフローラは乱れやすくなります。
加齢以外にも、デーデルライン桿菌は些細なことで減りやすい菌群です。
- デリケートゾーンの洗いすぎ:善玉菌を物理的に洗い流してしまう
- 抗生物質の使用:悪い菌だけでなく善玉菌も減らすことがある
- 睡眠不足・ストレス:女性ホルモンの乱れを通じて間接的に影響
- 生活習慣の乱れ:免疫やホルモンバランスの低下
これらは日常に潜む要因なので、心当たりがあれば見直すことが、デーデルライン桿菌を守る第一歩になります。
デーデルライン桿菌を増やす・守るには?
「内側から乳酸菌を補う」「外側を洗いすぎない」「生活習慣を整える」の3つが基本。減らさず、補い、育てることがポイントです。
デーデルライン桿菌を増やし・守るための方法は、膣内フローラを整える考え方とまったく同じ。「減らさない・補う・育てる」の3方向です。
減ってしまった乳酸菌は、内側から補うのが直接的なアプローチです。発酵食品から乳酸菌をとることもできますが、「膣内環境を整える」と報告されているのは特定の菌株です。膣内環境を目的とするなら、その機能が確認された乳酸菌を取り入れるのがわかりやすい方法です。機能性表示食品のケアラクトは、膣内環境に着目した2種類の乳酸菌(GR-1・RC-14)を配合し、「膣内環境を良好にし、膣内の調子を整える機能」が報告されています(届出表示)。

せっかくの善玉菌を洗い流さないことも重要です。膣の中は洗わず、外側を肌と同じ弱酸性のソープでやさしく洗いましょう。**ponopono(ポノポノ)**は乳酸菌に着目したデリケートゾーン専用の洗浄料で、善玉菌が住みやすい清潔な環境を保ちながらやさしく洗えます。

善玉菌が働きやすい体内環境を整えることも大切です。発酵食品や食物繊維をとる、十分な睡眠、ストレスケア、体を冷やさない、通気性の良い下着を選ぶ——こうした生活習慣が、デーデルライン桿菌を育てる土台になります。

デーデルライン桿菌に関するよくある質問
デーデルライン桿菌は読み方が難しいですが、何と読みますか?
デーデルライン桿菌は1種類の菌ですか?
ヨーグルトを食べればデーデルライン桿菌は増えますか?
デーデルライン桿菌が減っているか、自分でわかりますか?
まとめ
デーデルライン桿菌とは、膣内にすむ善玉菌(主にラクトバチルス属の乳酸菌)の総称で、乳酸をつくって膣内を弱酸性に保ち、雑菌を防ぐ「自浄作用」を支える存在です。健康な膣内ではこの菌が優位を占めています。
加齢(エストロゲンの減少)や洗いすぎ、生活習慣の乱れで減りやすいため、**「減らさない(洗いすぎない)・補う(乳酸菌を取り入れる)・育てる(生活を整える)」**の3方向でケアすることが大切です。膣内フローラの主役を知ることは、自分のデリケートゾーンと上手に付き合う第一歩になります。








